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2011年5月24日

家族の役割と定期検診

ご家庭でのセルフケアと同時に、プロのケアとアドバイスはお子さんの歯を丈夫で健康な歯に育てる助けとなります。当院では定期検診による早期発見・早期治療を推奨しシステム化しています。

お母様がおなかの赤ちゃんに気づく頃には、すでに歯の芽が出来ています。お母様がバランス良い食事をとれば、赤ちゃんの歯は質の良い歯に育つのです。また、一緒に暮らす大人たちが歯を大切にする生活を送れば、子供も自然と歯を大切にしていくものです。

定期検診

ご家族がお子さんの歯の健康を守るためにバランスのとれた食事や規則正しい生活習慣、そして歯磨きと噛む力を身に付けさせるようがんばりましょう。私たちスタッフ一同、末永くサポートしていきます。

定期検診(リコールシステム)について

当院では定期的に歯と口の状態を検査するシステム(リコールシステム)を実施しています。定期的な健診は予防になるだけではなく、病気の早期発見・経過観察につながる大切なものです。リコールのご連絡を致しますので忘れずにご来院ください。

リコールシステムリコールシステム

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「噛む力」を育てるコツ

「噛む力」は健康な歯には不可欠な力です。お子さんの歯を健康に育てる為に、ご家庭でできることをご紹介いたします。

「噛めない」「飲み込めない」と咀嚼に問題を持つお子さんが増えています。噛むことに問題があると、歯列不正や不正咬合、虫歯や歯周病といった病気につながります。

「噛むこと」の効用
・イライラや欲求不満の解消をします
・顎の動きが脳を刺激し、働きを活発にします
・唾液がよく出て消化吸収が良くなり、発ガン性物質の働きを弱めます
・顎の骨や筋肉が鍛えられ、きれいな歯列のためのスペースができます

「噛める」子育て
・成長に合わせて上手に離乳をすすめましょう
・生活リズムをつくり、おなかがすいてから食べさせましょう
・加工食品を避け、自然素材を活かした食事を作りましょう
・ゆったりした雰囲気のなかで落ち着いて食事をさせましょう

繊維を「噛む」
野菜に含まれる食物繊維は虫歯予防に役立ちます。繊維を噛む事で歯が掃除され、唾液がよくでます。唾液は虫歯菌を作り出す酸を弱める働きがあります。ごぼう、にんじん、れんこんなどが口の中に残す繊維(セルロース)がそれです。

「噛む」おやつ
おやつはこどもの生活には必須です。だからといってスナック菓子や清涼飲料水を与えるのではなく、できるだけしっかり噛んで食べられるような素材と作り方を選び、時間と量を決めて与えましょう。

「噛む」おやつ・野菜スティック
・くだもの(りんご、苺など)
・クラッカー
・牛乳やチーズ
・キシリトール入りガム
・するめ
・干し海老入りのお好み焼き
・ふかし芋や干し芋

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虫歯の原因と歯周病

虫歯の出来る原因は4つあります。お子さん本人が虫歯に気づくのは難しく、ご家族の方の注意が必要です。また生活習慣の変化で歯周病の低年齢化が進んでいます。早期発見を心がけましょう。

虫歯の原因虫歯の原因は、

1. 歯の質
2. 細菌
3. 糖分
4. 歯を磨くまでの時間


これらの4つの条件がそろうと虫歯が出来ます。虫歯菌は小さくやわらかい乳歯を好みます。しかも、お子さんはおやつなどで糖分摂取の機会も多くまた自分で上手に歯磨きを出来ないこともあり、虫歯になりやすい状態です。

そのうえ、進行が速く自覚症状が出にくいので、気が付いたら歯髄炎になっているということにもなりかねません。上の前歯や奥歯は特に虫歯が出来やすい所です。ご家族の方が注意してあげてください。

また最近の調査結果では、5~14歳の約38%の子どもに歯周病が発見されました。今や歯周病は、生活習慣の乱れや抵抗力の低下により低年齢化が進んでいるのです。

歯周病は歯と歯肉の隙間に入り込んだ細菌によって引き起こされます。歯肉が赤くなっていたら歯周病のサインと疑ってください。痛みがありませんので、ご家族の方が注意してみてあげてください。早期発見であれば、歯肉をブラッシングするだけで改善します。

虫歯のリスク

1. 唾液や歯質
虫歯のリスク

虫歯のかかりやすさを左右する、主な要素は三つに分けられます。

まず、大きなウエイトを占めるのは唾液の能力と歯質の抵抗力です。唾液は、食物を洗い流し、細菌の増殖を抑制し、プラークを中和し、再石灰化を促します。動物がケガしたところをなめているのを見たことがありませんか?

唾液には抗菌作用もあるのです。唾液の少ない人、場所は当然虫歯のリスクが高くなります。酸を中和する能力も人により違い、また同じ人でも変化します。

歯質は、生えてから唾液のなかで脱灰と再石灰化を繰り返して成熟します。ですから生えたばかりの歯は非常に弱いのです。

2. 細菌や口腔衛生
虫歯のリスク

虫歯は細菌が起こす病気です。ですから口のなかの細菌の種類や量によって、虫歯のリスクは変わります。虫歯の原因菌であるミュータンス菌は、糖を代謝して酸をつくり水飴状の多糖類をからだの外につくります。それでツルツルの歯の表面にべったりくっつき、そのなかで強い酸をつくり歯を溶かすのです。

ミュータンス菌はだれの口のなかにも同じようにいるわけではありません。子どものころに育児にたずさわる人から感染し、糖分を食べると増殖します。ていねいに歯ブラシを使うとプラークを落とすことができますが、細菌を完全に落とすことはできません。再び砂糖が口のなかに入ると残ったミュータンス菌が増殖をはじめます。

3. 飲食習慣
虫歯のリスク

飲食の頻度や砂糖の摂取など食習慣がリスクを左右する大きな因子です。頻繁に間食をとる人、飴をなめ続けたり、長時間かかって甘い飲料を少しずつ飲む習慣などは大きなリスクになります。

反対に、キシリトールなどの酸をつくらない食品や緑茶などをよく飲む人は虫歯のリスクが下がります。哺乳ビンにスポーツドリンクなどを入れて与えると、乳幼児にとって非常に大きなリスクになります。

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歯並びと矯正歯科

正しくない歯並びとはどのようなものかをご紹介します。歯並びは虫歯や歯周病に影響を与えます。矯正治療で整えることが可能ですので、医師にご相談ください。

歯並びや噛み合わせが正しくないことを「不正咬合」と言います。噛み合わせが正しくないと全身の健康に悪影響をおよぼし、虫歯や歯周病にもかかりやすくなります。お子さんの歯の健康管理を心がけ、特に一番大切な生え変わりの時期に気をつければ正しい歯列を育てることが可能です。そのためにもかかりつけ歯科医院での定期チェックはかかせません。

不正咬合の種類

完全な永久歯列をつくるためには、

1. 乳歯を大切にする(乳歯の時期に虫歯等で抜歯をすると歯並びが不正になるため)
2. よく噛む(あごの正常な発育を助けるため)
3. バランスの良い食事(健康な体と歯をつくるため)
4. 悪い癖をやめる(指しゃぶり、くちびるを噛む、口だけで呼吸するなど)

を心がけることが大切です。なぜならば乳歯を虫歯から守り正しい場所に永久歯を生やす努力をしても、他の原因、つまり顎の骨の成長差や子供のくせなどによって不正咬合がおきるからです。

不正咬合があると虫歯や歯周病になりやすくなるだけではなく、「顎の異常」、「体や顔のゆがみ」、「噛む力が弱くなる」、さらには「消極的な性格になる」などの不都合が生じます。

このような場合の解決策として「矯正治療」があります。矯正治療は長い時間をかけて歯を動かし、バランスの取れた歯並びと正しい噛み合わせや機能を取り戻す治療です。矯正具や治療技術は進歩し、今では身近なものとなっています。

一般に矯正治療は顎の骨の発育を利用したほうが有利に行えるので、最も成長する10歳頃から始め14~15歳の頃までに治療が終了している状態が望ましいです。場合によっては6才くらいから治療を開始するお子さんもいます。ご家族の方はお子さんの歯並びを小学校の低学年くらいからよく観察なさってください。

もしお子さんの歯に心配なことがあるのであれば、一度かかりつけの歯科医院や矯正専門医にご相談ください。

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正しい歯磨きと予防

年齢に合った歯磨きのポイントと虫歯予防に効果の有る成分をご紹介します。お子さんが一人で歯磨きが出来るようになるまでは、ご家族の方はあせらず根気よく見守ってあげてください。

食後の歯磨きは虫歯の原因となる細菌のかたまり(プラーク)を取り除き、虫歯だけではなくお口の健康を守る大切な習慣となります。

お子さんが一人で歯磨きができるようになるまでは時間がかかります。それまでは、毎日必ずご家族の方が仕上げのチェック磨きをしてあげてください。チェック磨きのポイントは「歯と歯の隙間」、「歯の裏側」、「奥歯の磨きにくい所」です。これらの箇所は特にていねいに磨いてあげてください。

歯磨き育児のポイント

■妊娠中
虫歯は、虫歯菌の感染症です。この時期は、母親のお口の中はもちろん、まわりの環境(周囲の人のお口の中を清潔にする)を整えることが大切です。

■1歳
歯ブラシをお口の中に入れることに慣れてもらいます。
正しい歯磨きと予防正しい歯磨きと予防

■感染の窓
特に感染の危険性が高いのが、生後1歳7ヶ月から2歳7ヶ月の一年間です。この時期は「感染の窓」と呼ばれ、最も注意が必要とされています。この時期にしっかりと感染予防が出来ていると、その後はずっとミュータンス菌が感染し難くなります。

そうは言っても、食事の時にかわいい赤ちゃんとのスキンシップを控えるというのは、つらい事です。ですから、ご家族の方は、なるべく早いうちから、口腔内の衛生に気を配るように心がける事が大切なのです。

■2歳
自分で磨こうとする気持ちが出ます。
ご家族の方がそばで一緒に磨いて真似をさせると歯磨きが生活習慣となっていきます。楽しい雰囲気の中で歯磨きしましょう。

■3歳~5歳
乳歯が生えそろう時期です。
お子さんが自分で磨くようにしますが、まだまだ磨き残しがあります。必ずチェック磨きをしてあげましょう。

■6歳以上
永久歯が生えます。子供の「自分で磨く」気持ちを尊重します。チェック磨きは最初の永久歯(六歳臼歯)を中心に行います。「自分で磨くを尊重する」といっても、まだまだ磨き残しは残っています。この6歳以上の子供の場合でも、仕上げ磨きは必須です。


子供の虫歯予防処置

■フッ素
フッ素フッ素は歯の質を強化し、虫歯の初期状態の再石灰化を促進させる効果があります。
歯科医院では「フッ素塗布」、自宅では「フッ素入り歯磨き粉」「フッ素入りジェル」「フッ素洗口」を行いましょう。永久歯が完全に生えそろう中学生位まで続けますと、特に虫歯予防効果が期待できます。なにより継続して使用することが大切です。

■シーラント(溝埋め)
シーラント奥歯の溝をレジン(プラスチック)という素材で埋めて虫歯を防ぐ方法です。虫歯になる可能性の高い方に行います。長い時間がたつと、はがれてしまうものなので定期検診を忘れずに行い、溝を埋めなおす事が必要になります。

■キシリトール
キシリトールは世界中の国々で、予防効果と安全性が認められています。キシリトールは虫歯菌に分解されず、虫歯の原因の「酸」をつくりません。酸が作られないとプラーク(歯垢)はネバネバしないので、歯磨きで落としやすくなります。ちなみに当院では、「ポスカム」をお勧めしています。

(注)製品に含まれるキシリトールの割合が50%以上でないと効果があまり望めません。また他の糖分が入っていれば効果は半減してしまうので気をつけてください。

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永久歯へのステップ

乳歯から永久歯への生え変わりには、およそ4つのステップがあります。
それぞれのステップに合わせた健康管理と歯磨きの習慣付けが大切です。

子供の歯が大人の歯、つまり永久歯へ生え変わるまでには以下のステップを踏みます。

1. 歯が生える前の段階(妊娠中~6ヶ月)
両親(祖父母)のお口をきれいにすることが大切です。
生まれた赤ちゃんに虫歯菌はいません。虫歯は細菌の感染であることを両親だけでなく家族の方すべてが自覚しましょう。
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2. 歯が生え始める段階(6ヶ月~3歳)
よく噛み、歯ブラシの習慣をつけることが大切です。
ただし、一番大切なのは食生活です。この時期は歯ブラシよりも食生活に重点をおきましょう。
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3. 乳歯がそろう段階(3歳~6歳)
間食の仕方、とくにおやつの取り方に注意する必要があります。
兄弟がいる場合は要注意です。ステファンカーブをよく理解することが大切です。

飲食とプラークのpH

●飲食とプラークのpH(グラフの曲線をステファンカーブと呼んでいます)
虫歯の原因菌が歯の表面にプラークをつくっているとき、......たとえばジュースを飲むとその直後からそのプラークのなかのミュータンス菌は酸をつくります。プラークは強い酸性になります。このグラフの下半分が酸性です。プラークが酸性になると歯の表面からはミネラルが奪われます(脱灰)。しかしこの状態は唾液によって元に戻り、しばらくするとミネラルが歯のなかに戻っていきます(再石灰化)。私たちの口のなかでは、これを繰り返しているわけです。砂糖をとると、強い酸性になります。

酸性になったプラークを中性に戻す唾液の作用、これを緩衝作用といいますが、この能力が強いと酸性のプラークはすぐに中性に戻ります。真ん中のラインが、ミネラルが奪われ始める境界線です。乳歯や生えはじめの歯ではこのラインが上の方にあって、とても脱灰しやすいのです。細菌の種類と量、砂糖の有無、唾液の量や能力、歯の耐酸性など多くの要素が脱灰と再石灰化にかかわっています。

飲食頻度と脱灰・再石灰化のバランス

●飲食頻度と脱灰・再石灰化のバランス
「飲食とプラークのpH」のグラフを一日分の模式図にしてみました。唾液に問題がなければ上段の図のように、脱灰・再石灰化を繰り返します。左の24時間時計は飲食の時間帯を示しています。回数とともに、その時間の長さも重要です。飴をずっとなめていると、その間ずっと食事をつづけているのと同じです。一番下の図のように、一日に何度も間食をする場合には、プラークがずっと酸性になりっぱなしです。この例では寝る前にもお菓子を食べているのでとくに問題です。夜寝ている間は唾液がほとんど出ないので、ずっと脱灰がつづきます。
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4. 混合歯列期(学童期)
本人が歯の大切さを自覚することが重要な時期です。家族とかかりつけ歯科医院が協力して歯の大切さを教育していきましょう。またこの時期は矯正治療を開始する可能性の高い時期です。
とくに永久歯との生え変わりの時期はフッ素が有効です。

歯が生える前は、栄養不足から虫歯ができないように栄養のバランスをとることが大切です。また歯が生えてからは、食事とおやつの時間を規則正しく保ち、食後のていねいな歯磨きを習慣づけることが重要です。

生え変わり前に虫歯が出来て乳歯を抜いてしまうと、生え変わりとは関係の無く、生える永久歯(六歳臼歯)が正常の位置より前の方に生えやすくなり、将来の不正咬合をまねくことになりかねません。

ただし、歯の生える時期には個人差があります。お子さんの歯が早くはえてしまったとか、まだ生えないと心配したりあせったりせずに、お子さんの自主性を尊重しながら、正しい歯磨きの習慣を身に付けさせることに心がけてください。

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歯の健康は一生の健康を左右します

歯の健康は一生の健康を左右します

大人の歯・永久歯へ生え変わる大切な時期に、お子さんの歯の健康管理を親御さんがなさることで、お子さんが「虫歯や歯周病の無い健康な歯」「良い噛み合わせ」を持つことが出来ます。

健康な歯ときれいに整った歯並びは一生の財産になります。ご家庭でのセルフケアと私たちプロのケアで、一緒にお子さんの歯を強く丈夫な歯に育てていきましょう。

このページではお子さんの歯の健康を守るためのポイントを6つのコラムでご紹介します。

1.永久歯へのステップ
乳歯から永久歯への生え変わりには、およそ4つのステップがあります。
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2.正しい歯磨きと予防
年齢に合った歯磨きのポイントと虫歯予防に効果の有る成分をご紹介します。
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3.歯並びと矯正歯科
正しくない歯並びと、矯正治療とはどのようなものかをご紹介します。
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4.虫歯の原因と歯周病
虫歯の出来る原因は4つあります。また、歯周病の低年齢化も進んでいます。
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5.「噛む力」を育てるコツ
お子さんの歯を健康に育てるために、ご家庭でできることをご紹介いたします。
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6.家族の役割と定期検診
当院では定期検診による早期発見・経過観察を推奨しシステム化しています。
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